プラクリティ
プラクリティ(Prakriti): サンスクリット語で「本来の性質」「自然な状態」を意味する。アーユルヴェーダにおいて、受胎時に決定される個人固有のドーシャの比率(先天的体質)を指す。
プラクリティとは
アーユルヴェーダにおける個人の体質を表す中核概念。3つのドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)がどのような比率で構成されているかを示し、受胎時の両親のドーシャの状態、季節、環境などの影響を受けて決定されるとされる。プラクリティは生涯を通じて変わらない。
語源はサンスクリット語の「プラ」(本来の、最初の)と「クリティ」(創造)の合成語。
7つの体質タイプ
プラクリティは以下の7つの基本タイプに分類される:
単一ドーシャ優勢型(エーカドーシャジャ)
- ヴァータ型: ヴァータが優勢。細身、動きが速い、創造的、冷え性
- ピッタ型: ピッタが優勢。中肉中背、消化力が強い、知性が鋭い、暑がり
- カパ型: カパが優勢。がっしりした体格、穏やか、持久力がある、太りやすい
二重ドーシャ優勢型(ドゥヴァンドゥヴァジャ)
- ヴァータ・ピッタ型: 細身だが消化力があり、活動的で知的
- ピッタ・カパ型: 体力があり消化力が強く、安定感と行動力を併せ持つ
- ヴァータ・カパ型: 冷えやすく穏やかだが、変化を好む一面もある
三重ドーシャ均等型(サマプラクリティ)
- トリドーシャ型: 3つのドーシャがほぼ均等。最も稀で、最も理想的な体質とされる
実際には単一ドーシャ型よりも二重ドーシャ型が多く、一つのドーシャが最も優勢で二番目のドーシャがそれに次ぐという構成が一般的。
プラクリティとヴィクリティ
| プラクリティ | ヴィクリティ | |
|---|---|---|
| 意味 | 先天的体質 | 現在のドーシャの状態 |
| 変化 | 生涯不変 | 食事・季節・生活習慣で変動 |
| 決定時期 | 受胎時 | 常に変化 |
| 健康管理の意味 | 理想的なバランスの基準 | 現在の乱れを把握する指標 |
アーユルヴェーダにおける健康管理の基本は、ヴィクリティをプラクリティに近づけること。つまり現在の状態を本来の体質バランスに戻すことを目標とする。
体質診断の方法
プラクリティの判定は以下の項目を総合的に評価して行う:
- 体格: 骨格、体重の増減傾向、筋肉量
- 肌質: 乾燥・油性・混合、色合い、温度
- 髪質: 太さ、量、白髪の傾向
- 消化力: 食欲のパターン、消化の速さ、便通
- 睡眠: 深さ、長さ、寝つきの良し悪し
- 体温: 暑がり・寒がりの傾向、発汗パターン
- 性格傾向: 行動パターン、ストレス反応、社交性
正確な判定にはアーユルヴェーダの専門家(ヴァイディヤ)による問診が推奨される。脈診(ナーディパリクシャ)を用いる伝統的な方法もある。
ヨガとプラクリティ
プラクリティに応じたヨガの実践が推奨される:
- ヴァータ優勢: ゆったりとした安定感のある練習。リストラティブヨガ、陰ヨガ、グラウンディング系のポーズ
- ピッタ優勢: 穏やかで競争心を手放す練習。前屈、ツイスト、冷却の呼吸法
- カパ優勢: 活動的で刺激のある練習。ヴィンヤサ、太陽礼拝、後屈
よくある質問
自分のプラクリティを知るには?
アーユルヴェーダの専門家による体質診断(プラクリティ診断)を受けるのが最も正確。体格、肌質、消化力、性格傾向、睡眠パターンなど多角的な観点から総合的に判定される。オンラインの体質診断は目安程度に留め、正式な診断は専門家に相談することが推奨される。
プラクリティは変わりますか?
変わらない。プラクリティは受胎時に決定され、生涯を通じて一定とされる。変わるのはヴィクリティ(現在のドーシャの状態)であり、食事、季節、加齢、生活習慣により常に変動する。
プラクリティとヴィクリティが大きくずれているとどうなりますか?
プラクリティからの逸脱が大きいほど心身の不調が生じやすいとされる。例えばヴァータ体質の人にヴァータが過剰に蓄積すると、不安、不眠、便秘などのヴァータ性の症状が現れやすくなる。
関連用語
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