リストラティブヨガ
リストラティブヨガ(Restorative Yoga): ボルスター、ブランケット、ブロックなどのプロップスで身体を完全に支え、筋力をほとんど使わずに長時間ポーズを保持することで、神経系の深いリラクゼーションを促すヨガのスタイル。
リストラティブヨガとは
プロップス(補助具)を多用し、身体に負荷をかけない受動的なポーズを5〜20分保持することで、副交感神経を優位にし、心身の深い回復を促すヨガの一形態。1970年代後半からジュディス・ハンソン・ラサター(Judith Hanson Lasater)が実践を発展させ、1995年の著書Relax and Renewで体系化された。B.K.S.アイアンガーのプロップスを用いた治療的アプローチに影響を受けている。
通常のヨガクラスが5〜10ポーズ以上を行うのに対し、リストラティブヨガでは60〜90分のクラスで3〜5ポーズのみを行う。少ないポーズを長時間保持することで、神経系に「安全である」という信号を送り、深い休息状態を作り出す。
特徴
- プロップスで完全に支える: ボルスター、ブランケット、ブロック、アイピロー、ストラップなどを使い、身体が完全にサポートされた状態をつくる
- 筋力をほとんど使わない: 筋肉の努力を最小限にし、重力とプロップスに身体を委ねる
- 長時間保持: 一つのポーズを5〜20分保持する
- 少ないポーズ数: 1クラスで3〜5ポーズが一般的
神経系への作用
リストラティブヨガの長時間保持と受動的なポジションは、副交感神経の活動を促進する。副交感神経が優位になると、心拍数の低下、呼吸の安定、消化機能の促進、筋肉の弛緩が起こり、身体の回復・修復モードに入る。
慢性的なストレスや過活動により交感神経が優位な状態が続いている場合、リストラティブヨガによる意図的な休息が自律神経のバランスを回復するのに有効とされる。
更年期とリストラティブヨガ
更年期に自律神経の乱れが生じやすいことから、リストラティブヨガは更年期の女性に推奨されることが多い。ホットフラッシュ、不眠、不安感といった症状に対して、副交感神経を優位にする実践が症状の緩和に寄与するとされる。
サウンドヒーリングとの組み合わせ
リストラティブヨガのクラスにシンギングボウルやクリスタルボウルを組み合わせる実践がある。受動的な姿勢で長時間保持する間に音の振動を受けることで、聴覚と触覚の両方からリラクゼーションを深める。
よくある質問
リストラティブヨガと陰ヨガの違いは?
リストラティブヨガはプロップスで身体を完全に支え、負荷をかけずに神経系のリラクゼーションを目的とする。陰ヨガは結合組織に穏やかな負荷をかけ、柔軟性の向上を目的とする。リストラティブヨガは「休む」、陰ヨガは「伸ばす」が主な目的。
リストラティブヨガは運動になりますか?
筋力や心肺機能のトレーニングを目的としたものではない。神経系の回復と休息を目的としたものであり、活動的なヨガの実践を補完する位置づけ。ハタヨガやヴィンヤサと組み合わせることで、活動と回復のバランスをとる。
